絶好調 広島カープ 堂林選手の活躍について思うこと

 

広島カープの堂林翔太選手が絶好調だ。

2020年7月19日現在、打率はセリーグ唯一の4割超え。もちろん現時点で首位打者である。

チャンスにも強く、得点圏打率も現在5割超え。堂林の前にランナーを貯めれば、ほぼ2回に1回は得点になる、という状況だ。

守ればサードとしてきわどい打球をうまく捌き、鋭い送球で打者をアウトにしている。

少しエラーの数は気になるが、それを帳消しにして余りある活躍ぶりである。

ja.wikipedia.org

 

そのルックスの良さから、「広島のプリンス」と呼ばれ、各方面から期待されていた堂林であるが、周囲の期待値に対して結果を出せない日々が続いていた。

頻繁に1軍での試合に出場するものの、欠かせない戦力、となるまでには至らず、2軍と1軍を行き来することが多かった。

dファンとして期待値が高いだけに、歯痒い思いもしたし、「そろそろ潮時なのか」などと疑ったこともあった。

それでも私を含めたカープファンが堂林のことを嫌いになれず応援し続けるのは、結果が出ない中でも彼が真摯に野球に取り組み、必死にもがいている姿を見てきたからなのだと思う。

 

堂林選手は、高校時代からスター選手だった。愛知の超名門 中京大中京高校の4番でエース。

自身が3年生となった2009年の夏には甲子園に出場した。

日本文理との決勝戦は、終盤に怒涛の追い上げを見せられるも、辛くも勝利し優勝した。

「負けて笑う日本文理、勝って泣く中京大中京」の対比が記憶にも新しく、高校野球らしい熱く爽やかな試合であった。名試合の一つとして高校野球史に刻まれている。

ちなみ現在広島カープにいる磯村捕手は、この時堂林がバッテリーを組んでいた1学年下の後輩である。

 

そんな鮮烈な記憶を残してプロ入りし、マスパンこと桝田絵理奈アナウンサーと結婚して順風満帆に見える堂林であったが、なかなか結果が出ない。

もがき苦しんでいる堂林を見るのはつらかった。

外角のスライダーを簡単に振らされて三振を取られる姿を何度見たことか。

 

元来の真面目さから、割と考え込むタイプらしく、菊池涼介の二塁手革命でもそのことに触れられていた。もっと楽に考えればいいのに、というようなことを言われていた。

二塁手革命

菊池涼介 光文社 2015年04月16日頃
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その後も新井の元に弟子入りして護摩行にも着いて行ったりと、先輩の技を盗むために必死で取り組んでいたようだ。(護摩行が効果あるかは別として。)

そんな堂林が一昨年辺りから、3年後輩である鈴木誠也にアドバイスを請うている姿がたびたび報道されるようになった。

昨年の冬は一緒に自主練にも行っていた。「「『鈴木誠也』という見本が目の前にいた。」との言葉は、後輩でも自分より優れているものを柔軟に取り入れる姿勢が表れているように思う。

 

開幕前のスポーツニュースで、堂林はセンターから右に力のある打球を飛ばせるようになったという実感を語っていた。

それを聞いたときは、「またいつものか...」程度の感想しか抱けず、正直あまり期待していなかった。

何度もこのような肩透かしをくらってきたからだ。

でも今回は違ったようだ。

この結果。まじ、すまん。

 

素人目に見ても、今年は明らかに違う。

はまった時のパンチ力はもともとあったが、真ん中の球を右中間に強く飛ばせるようになった。つまり球を引き付けて打てるようになっている。

それはしっかり見極められているということであり、以前のように明らかなボール球にホイホイ手を出して三振する姿が減っていることからもわかる。

しかし、それだけでない。

インコースの球も腕をたたんで簡単に捌いており、左中間に強い球を飛ばす。

7/17の3連続二塁打は、上記の堂林の成長を如実に表していた。

 

まだ23試合を終えたタイミング、何かを判断するにはまだまだ早いと思う。

しかし、技術的にも明らかに進化し、打席での落ち着き具合、打ち取られた時の堂々とした姿勢。

全てが前シーズンまでとの違いを感じさせる。

7月を終え、8月を終え、シーズンが終えた時、どんな姿が見られるか。

コロナで開幕が遅れ、焦らしに焦らされた後に、こんな楽しみが待っていようとは、誰が想像しただろうか。

 

これだからプロ野球ファンは辞められないのだ。

堂林選手のさらなる活躍を期待しています。