六本木クロッシング2019展:つないでみる観覧レポ ー素人の現代アートの楽しみ方ー
現在、2019年2月9日から5月26日まで開催されている、
『森美術館15周年記念展 六本木クロッシング2019展:つないでみる』
に行ってきました。
(会社の出張ついでに行けてラッキーでした。)
正直現代アートってなんなの。
なんか難しそう...。
みたいな声が聞こえてきそうですが、安心してください。
僕も全くの美術素人です!!(謎の自信)
ですので、素人なりに現代アートをどう楽しんだかについて、お伝えします。
なお、掲載している写真は「クリエイティブ・コモンズ表示 - 非営利 - 改変禁止 4.0 国際」ライセンスでライセンスされています。
解説をゴリゴリに読みながら鑑賞してみる
まずは何もわからないまま見ても面白くないかと思い、展示してある簡単な作品説明を読んでから鑑賞しました。
入口に入るといきなり出てくるこの作品。
作者説明の案内板によると、この作品の写真を撮ろうと思っても全体像が映らないようにできており、写真で本当の状況や感動を伝える無意味さを表しているそうです。
僕はこの作品を見て、漫画ONE PIECEの悪役キャラ、巨大戦艦サンファンウルフを想い出しました。
巨大すぎて人間の無力さを感じさせるウルフのように、このピンクの猫もふてぶてしくこちらを見ているようにでした。
こちらは説明によると、ネット上で集めたパーツからできたコラージュをもとにできているそうです。
機械の一部や構造物などの人工的な環境も、現代人にとっては、ある種の自然環境であるとを示しているとのこと。
落合陽一さんが言われているように、コンピュータは環境の一部であり、現代人はデジタルなものを自然としてとらえています。
この作品では現実にある構造物や機械などのパーツを集め、それをデジタルな処理としてコラージュしています。
デジタルなものと物質的なものがつながっている作品だと思いました。
場に没頭してみる
美術館では、1個1個の作品の情報量が多すぎて疲れてしまいます。
最初の方では気合を入れて説明を読み込んでいましたが、だんだんとダレてくるように...。
そこで空間を使ったアートがあれば、その場に無心で没頭して作品を肌で感じることにしました。
見るからに狂気じみた絵面ですね。
陶芸教室をやっているAIの先生と生徒との恋の空間という設定だそうです。
写真には写っていませんが後ろに先生と生徒の映像が流れています。
映像の内容がAI先生の妄想なのか、それとも現実なのか、定かじゃありません。
AI先生の助手になったような気分でこの空間に浸ってると、だんだんと感情移入をしてしまいそうになりました。
周りのお客さんも、心なしか2人の間を邪魔しないようにそっと移動されていき、神秘的な空間でした。
こちらは眺め渡せるような海と間近にある波の双方を感じられるような作品だそうです。
この作品の手前にはソファが数台あったので、そこに座ってしばらく見ていました。
ぼーっとしばらく見ていると、海に行ってぼんやり遠くを見ている時の感覚と、波打ち際で砂のお城を作っていて波にお城がさらわれた時の感覚をどちらも感じました。
当然まったく作品は動いていないし穏やかなように感じる一方で、今にも波が襲ってきそうでもあり、不思議な感覚に包まれました。
直観だけで見る
作品も終盤に近付いてきて、頭も体もだいぶ疲れきました。
もはや1つ1つを丁寧に鑑賞していく余裕がなかったので、直観で気に入ったものを重点的に見ていくことに。
映像も仮面も薄気味悪くて、惹かれました。
映像には原発事故の影響で仮設住宅に住まざるを得なかった人たちが参加しているそうです。
猫尽くし。
猫好きにはたまらないけど、近くで見ると1300匹の猫の人形がいるらしく、ちょっと気持ち悪くなります。
人間の毎朝の通勤電車とかも、神の視点で見たらこんな風に気持ち悪く映るのかと思いました。
結局、アートの見方はそれぞれの好きなようにOK
これに限りますね。
古い美術の勉強から始めるとまた新しい発見があるのでしょう。
ウンチクや知識をもっているとより深く鑑賞ができると思います。
しかし素人にとって1つは1つの作品に向かい合って楽しむことが一番大切ですよね。
形式とか、全部見なきゃ、とかにこだわらず、好きなように好きなものだけ見ていけばいいのではないでしょうか。
以上、素人が考える現代アートの楽しみ方でした。
機会があればぜひ美術館に足を運んでみてください!